ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 感想(ほぼネタバレ)

ストーリーは100億点

ゲームは最初の30時間は60点

それ以降は0点

これまでのプレイ期は以下リンクからどうぞ。ストーリーの詳しい感想はこちらに

ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団 ネタバレ感想その1(ダンジョン3まで) - げーむとえいがとあにめの感想

ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団 ネタバレ感想その2(ダンジョン5まで) - げーむとえいがとあにめの感想

ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団 ネタバレ感想その3(一つの節目と分岐直後まで) - げーむとえいがとあにめの感想

ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団 ネタバレ感想その4(アパ...の半分くらいまで) - げーむとえいがとあにめの感想

ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団 ネタバレ感想その5(後半2つ目のダンジョン半分くらいまで) - げーむとえいがとあにめの感想

ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団 ネタバレ感想その6(パレード追い返されるとこまで) - げーむとえいがとあにめの感想

 

 

 何が悪かったのかというと、この70時間~100時間にも及ぶゲームをテストプレイして、『ランダムダンジョン2つは流石に冗長すぎる』『ランダムで出現するダンジョン内アイテムの中身が更にランダムで決まるシステムなのに、その中で最もレアなアイテムをストーリー進行に要求するのは極めて頭おかしいし苦痛でしかない』『水から出たり入ったりする度にBGMループさせんな』『トゥルーエンド見るために10時間以上かかる無意味な苦行を強いるな』『複数体のボスが出てくる場面で1体死ぬたびに激長地震を発生させるな』などと指摘する人がいなかった。もしくはそれを直す時間や予算が無かったのが悪い。
ソシャゲのような無意味な戦闘とご褒美の面白ストーリーというバランスが現代のバランスなのかと思うとかなり悲しくなる。それなら戦闘は極限まで削って面白いストーリーだけでもいいのでは無いかと思うのだが、それだと紙芝居ゲーと揶揄されるのであろう。ゲーム作りは難しい…

敵キャラのビジュアル(種類)にバリエーションが無さすぎるとかイベントスチルがほぼないとかそういうのは予算の都合だったということで理解できる。
その分、分岐後のしかけ絵本のようなイベントムービーや声優の熱演など絶対にここだけは死守しないといけないという点は伝わってきたので、ソシャゲの失敗やディスガイアの新作でギリギリまで予算や人員を削られている今の日本一にはこれが限界なのであろうと自分の中では納得している。

前作と比較して自分が残念に思ったのは大きく2つで、前作では各ダンジョンごとのシンプルなサブストーリーがありそれがとても良いアクセントになっていたが今作はそれが存在しないこと。もう一つはレベル上げの楽しさがほぼ無くなっている事。

サブストーリーについては、このゲームの”地下迷宮”の在り方を考えれば無いのが正しいという解釈も出来る。メインストーリーは本当に面白いのでそれに一点特化しているのは正解だと思うのでこれは俺のエゴということで。
前作がDRPGとして名作だと言われていたのは稼ぎが楽しいという部分が大きいと思う。経験値が数倍になる結魂書を集めて、メタルスライムがPOPする場所でギリギリまでキャリーオーバーを狙い、操作ミスで一喜一憂するという一つのゲーム性を提供していた。今回はカルチェ40層くらいの雑魚が十数体POPする”ストーリー進行上必ず通過する”場所が最高効率であり、ある程度レベルが上がってる状態であれば全滅の危険性はほぼ無いためただの作業ゲーに成り果てている。前述したソシャゲのバランスに近い物があると感じた。

悪口はそのくらいにしてここからは素晴らしいストーリーについて。(多くは今までのプレイ記で触れているので簡単に)

ループ物と時間遡行物と百合と師弟愛とセカイ系とリョナを魔女の巨鍋でめちゃくちゃに煮込んで混ぜ込んだようなこの作品は最高で、2020年で一番面白かったと断言できる。ただ、やはり人を選ぶ事は間違い無いようで、胸糞展開やゴア描写が苦手な人には勧めづらい作品である事は確か。ただし誤解してほしくないのは本質は胸糞やゴアではなく、師弟愛や友情であり、胸糞やゴアはそれをうまく引き立てるスパイスでしかないということ。泉達也様はそれが日本一上手な人であるという事を再認識した作品だった。

トゥルーエンドを見るための苦行については、ユリィカの苦労を共有するための描写として用意されたものだということは重々理解できるが、本当にそれを娯楽作品でやらせる必要はあったのかというと、無いと断言できる。そういうのはリングフィットアドベンチャーだけでいいんですよ。
ただトゥルーエンドは本当にいいもので、プロローグの金の卵を産むニワトリのくだりを本当に理解するためには見なければならない絶対的に必要なもの。なんでこんな面倒くさい事を…
普段ゲームをせずvtuberの配信を見てやった気になっている人達が一番嫌いな人種であると公言している自分がこんなことを言ってしまうのは悔しいが、このゲームに限ってはノーマルエンド後つらくなったらyoutubeでトゥルーエンドを見るのが一番幸せにこのゲームを楽しんだ人なのではないかと思う。
トゥルーエンドを人質に10時間以上の苦痛を強いるのはゲーム業界市場初の出来事だと思うし、これをスタンダードにして欲しくないという気持ちも込めて。

というか魔女百でもディスガイアでも、ランダムダンジョンは稼ぎややりこみ専用のものでメインストーリーにはなるべく介入しませんよというのがこの会社のお約束だと思うんだけどそれをがっつり変えてきてるというのは、やはり委託かそれに近い開発形態を取って居たのではないかと思う。うーん…まあ出してくれるのが第一なのでギリギリ許せる…うーん…

 

ということで大手を振っておすすめできるゲームでは無いんですけどストーリーだけは今年最高のゲームでした。
魔女百とルフランもう一回年末にやりたいなと思うほど良かった。次作が出たら絶対に買います。だからランダムダンジョンだけは勘弁してください。なんでもしますから。
一番好きなシーンはやっぱり師匠のパレードから追い返されるところです。