2021年1月、パチスロはまた死んだ

2021年、パチスロがまた死んだ。

パチスロは一度死んでいる。
”超やりすぎ”な時代に盛大に怒られ、”5号機”という死体となった。

それが、いつのまにかメーカーによる規制の穴をつく起死回生の救命措置により蘇った。そして、またいつしかの”やりすぎ”なギャンブル性を取り戻しつつあったのだ。ただし、それはまたしても怒られた。

“ やりすぎ”による怒られ規制がいつのまにかオリンピック、国営カジノ建設のための規制にとってかわり、ついに「極刑」に値する規制が令和に施行され、パチスロは死んだ。

今日はパチスロがどのような拷問を受けて緩慢に殺されて来たのか、これをゆっくりと語りたいと思う。

 

1.またやりすぎて怒られる

“ やりすぎ”だった時代は1000円で受けられる抽選が23回、つまり約1分半で1000円札が溶けていく狂気の時代だった。

実はこれはユーザーにも店にも最高の時代だった。
何故ならたくさん吸い込む分、たくさん還元できる。

後ろに山積みにコインを持っている人が、実は7万円負けていますという事はちょくちょく存在し、7万円を取り戻した快感は何事にも耐え難く、人はさらば諭吉することが苦では無かった。

こういったギャンブル性の高い台を敬遠する人も居たが、いっぱい負けてもいっぱい出る。という単純明快さはとくに金と時間を持て余した老人に大ウケであった。

大昔、1時間に10万円以上勝てた”超やりすぎ”時代に比べるとメダルが出るスピードは劣るが、「1000円入れたら20万円になった」がよくある羨ましい話として少なからず存在した時代である。

ところがこんな時代は長く続かない。

パチスロくんは国から怒られた。曰く、「吸い込みすぎ」と。

この時パチスロくんに付けられた足枷は“ ペナルティの禁止”である。

1000円が1分半で溶けるといっても、世に出すための試験において試験官の目を欺いているからこそ実現出来る事である。少々複雑な話になるが、「この台はこう打つんですよ」とたくさん遊べる打ち方で国の試験を通し、それとは真逆のルールをユーザーには要求する。もちろんユーザーがルールに従わなければ“ ペナルティ”として大当たりの抽選を行わない。その代わりに大当たりした時のリターンを大きくすることが出来る。そんなカラクリだ。

それが禁止されてしまった。この枷を付けられると、今までと同じスピードで出玉を出すためには1000円で3分半ほど遊べるようにしなければならない。

今までの2倍以上、客は遊べるようになってしまったのだ。

ただし、”やりすぎ台”がパチ屋からすぐ無くなるわけではなく、設置してから数年はそのまま置き続けることが出来る。

この、数年後というのが2021年1月である。

2.反省したのに怒られる

このペナルティにより間隙を突けなくなったのか、本当にメーカーが反省したのかはわからないが、「出玉スピードを出したいなら、遊べるような台にしなさい」という怒られは素直に聞いていたパチスロくんであった。
パチ屋にとっては大打撃であったが、大当たり中のゲーム性に関して規制が入らなかったので、この時の台は、「当たってない時退屈な時間は増えたけど、当たってるときは前と同様に面白い」という台が多い。
ただ多少遊べるようになっただけ…千円3~4分も普通の金銭感覚で考えたら異常である。

それでもパチスロはまた怒られた。それなりに反省していたのに。

警察が想定していたのは”投資スピードの低下”ではなく、”出玉スピードの低下”であったのだろうか。「出るスピードを2/3以下にしろボケ」とワビサビのない怒られ方をされてしまった。

この時もスピードが速い台ばかりではなく、ショボい速度だけど、長く大当たりが楽しめますよという台は多くあったので、単純にゲーム性の多様性が無くなる規制であった。

何故…言うことを聞いていたのに…
真相はわからないが、オリンピックや国営カジノの話が出始めた時期もこのあたりであった。1度規制したんだから2度目も同じだろう。そんな雑さがある規制だと当時の自分は思った。この時代も悪さをしていたのはやりすぎだった時の台だったんだからそれらを検定取り消しにすればいいじゃんと思うのだが、国が一度認めた物をやっぱりダメですとはプライドが許さなかったのだろうか。

 

3.また怒られる

結局これを飲む形でパチスロの出玉速度は一気に低下した。
また、ゲーム性の規制も”ついでに”行われたので、単調で退屈な時間は更に増えた。

そんな雁字搦めの規制の最中、メーカーは魅力を演出するために、一撃性を重視した台を次々と発売した。出玉は遅いけど、沢山出ますよ。という単純明快さだ。
ただし、前述のように速度は今までの2/3のため、出すのに時間がかかる。
また、膨大な時間をかけた超極大大当たりというのは、裏を返せば上記の「閉店取りこぼし」が多発するということである。もちろんこれもメーカー側のスペックには取り切った状態で乗るので、夕方から打つと公表スペックよりも性能が数段劣るということであり、サラリーマンのような夕方からの客はこれらの台を打つことは無い。閉店時間になったら、大当たりがあとどれだけ続く状態であろうが、今持っているメダルを全部換金して出ていけというのがパチ屋の習わしである。

つまり、短時間のギャンブルでたくさんリターンがあるヤンチャしてた時代のパチスロ台にしか寄り付かない客が存在する状態になった。

ただし、この時代に出た一撃性の高い台にファンが多いのも事実である。
そんな1000円で20万円を夢見て朝から大金をぶち込むファンを健全だと思わなかったのか、単純に機嫌が悪かったのか、パチスロはまた怒られる。

今度の規制は”大当たりの一撃上限金額は6万円までにしなさい”というものに加え、”スリーセブン以外に設定差つけるの禁止”という非常に雑で致命的なものだった。

 

4.パチスロが死んだ日

すぐ隣のエリアに6万円が一時間半で溶ける台があるというのに、6万円までしか出せませんという規制をされた上に、パチスロの面白い所である”設定推測”を非常に単調なものとする規制は息も絶え絶えだったパチスロに止めを刺した。
パチンコ屋も商売なので、どれだけ少ない設定(還元)で客に期待させるかという分野でしのぎを削るのだが、これが難しくなった。今まで複雑な条件の上で不明瞭になっていた設定は丸裸になったのだ。

この後、ほぼ同条件かつ厳しい規制が行われ、パチスロは6号機と呼ばれる現在の非常に単調で、ゲーム性の乏しい集金装置となり果てる。

また、とどめとして行われたのが、「店にある”やりすぎ台”の割合を徐々に減らしなさい。まずは7割から。半年後はもう1割減らせ」と言った規制である。

ショボい出玉の台に客はつかない。店側も客側も同じ意見であった。
なんとか昔の台で稼ぎたい店側が行った規制逃れ。それが”立ちスロ”である。

今まで景品を置いていたスペースやトイレ前等の空きスペースに”やりすぎていない台”を所狭しと並べて「これはうちに設置している台です」と言い張る店が出現した。

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これによって総台数が増えて結果的に”やりすぎ台”をたくさん置くことが出来る。

こんなトンチみたいなやり方をして歯向かってるからすぐ怒られるのに、こういうバカな店の割を食い続けてきたのがパチスロ業界である。

10年前、「水曜日は海の日!」などと言ったCMを見た人は多いのではなかろうか。そういった特定の機種を示唆する広告は禁止されたのだが、それに対してパチ屋はメルマガの縦読み、公式HPで10分放置するとピエロの顔が唐突に表れる、開店BGMが甲賀忍法帖などと言った方法で歯向かい続けてきたので今更驚きはしなかった。

そして、店の頼みの綱だった”やりすぎていた台”は今月完全撤去された。
コロナの影響も重なり近所のパチ屋が潰れてこれを書いている。時間と金の無駄であるパチ屋が無くなるのは喜ばしい事ではあるが、パチンカスの友人と楽しい時を過ごした事も悔しいが事実ではあるので無くなるのは少し寂しい。

さようならパチスロ、ありがとうパチスロ

5.今日何打つのか

今日はパチンコのシンフォギアが激熱らしいのでシンフォギア打ちます。

ドヒュゥゥゥゥンシンフォギアァァァァ!!!キュキュキュキュイン!キュキュキュキュイン!キュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュイン!
ポォロポポポポペペペペピピピピピーペペペペペペペペー♪