MMO風RPG、CrossCode 感想

むちゃくちゃ人を選ぶだろうけど面白かった!

何が人を選ぶってとにかく骨太すぎる。かなりゲーム慣れしてて特にアクションゲームに関してはかなり自信のある自分が難しいと思う難易度です。RPGなのでレベルと装備をそろえればいいじゃんというのはありますが、ステータスでゴリ押しというよりも敵のパターンや弱点を見切ることに重きを置いているバランスなので、何度か死んでいるうちに楽になるところが好みでした。
難易度というより、MMORPGに思い入れがあるとか、スーファミくらいのRPGシステムを現代版にブラッシュアップしたゲームをしたいとか、小説ではなくゲームでしかない体験をしたいと思うとか、そういうプラスの要素があってある程度の難しさは超えてみせるという気合のある人にオススメしたいゲームです。

前半ネタバレ無し、後半ありで感想を書きます。

全てにおいて完成度の高い作品です。
スーファミくらいのローポリ風のグラフィックなのに視認性が良く、キャラクターの表情やしぐさが作りこまれていてとにかく没入感が良い作品です。VRMMOという設定上、一番重視した点なのでしょう。
特にマビノギラグナロクオンラインのようなレガシーネトゲが好きだった人にはたまらない要素が沢山あります。フィールドを駆け回って雑魚を倒しまくり、入り組んだ場所にある宝箱を探し、同じゲームを愛する仲間とくだらない談笑をしながらの冒険。懐かしいそれらの体験にVRという近未来の要素がトッピングされて襲い掛かってくると言えば伝わるでしょうか。
そんないろんな”刺さる”要素はありましたが、特筆すべきは戦闘とパズルとストーリーでしょう。

戦闘

ラスボスが一番面白いRPGという点でとても好みです。遊んでいるうちに気付かなかったテクニックに気づいて飛躍的に戦闘が面白くなるというタイミングが5つくらいあり、最後まで飽きずに楽しめました。ストーリーが進行するにつれて属性に対応したモードを入手し、それを切り替えながら戦うことが求められ、コントローラーだと十字キー、キーボードマウスだと数字キーに対応していて、コントローラーのほうが視覚的に切り替え易いのですが、遠距離武器のAIMがスティック操作になってしまうのでそこはマウスのほうが有利であったりとそれぞれ一長一短です。かなり忙しいそれらの操作を遊んでいるうちにシームレスに行っている自分に気づくという尊い体験がありました。
特にスフィア盤のような、プレイヤーが選択して強化するシステムが面白く、どのステータスもかなり破格の性能を持っているため、成長に期待感があり大技を取得できた時のワクワクは名作RPGに引けを取らない体験でした。メイプルストーリーで苦労して上位職に転職して大技を試したあの時の感覚を彷彿とさせる体験です。

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パズル

CrossCode自体はほどほどのボリュームで、だいたい30時間~40時間くらいのプレイ時間になりますが、半分くらいはダンジョンで過ごすことになります。
各ダンジョン30部屋ほどのパズルを全てこなす必要があり、これが一番プレイヤーを蹴落とす要素だと感じますが、どの問題も見た目より数段難易度の低い問題ばかりで、攻略サイトが必要になることはまずないでしょう。とにかく触ってみる事が重要で、複雑怪奇な見た目なのに出来ることは少ないから1手目をやってみるとスイスイ解けてしまったという気持ちいい体験ばかりでした。が、やっぱりボリュームは多い…多すぎると言ってもいいかもしれません。こればかりは人を選ぶでしょうが、苦手でも挑戦する価値はあると個人的には思います。

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ストーリー

マジで面白いです。
何故VRMMOが舞台なのか、何故主人公が強くなっていくのか、どうしてラスダンやラスボスが存在するのか。このストーリーはゲームという媒体でしか表現出来なかったものでしょう。それがプレイヤーの体験と噛み合っているため、とにかく没入感が高い内容でした。
キャラクターデザインがちょっと鼻が高くて微妙なかわいさなのですが、終わってみるとすげえ可愛く見えます。特に主人公のレアと、初めてゲーム内で友達になるエミリーとのストーリーは”MMOあるある”を内包しながら微笑ましく進行していくので、疲れるゲーム性の中でも清涼剤として機能していました。
ネタバレというネタバレはあるにはありますが、会話パートやカットシーンは控えめでプレイヤーの体験として進行していくのが好みなので、文章じゃ伝えきれない部分が多いです。是非挑戦してほしいと言いたい所ですが、前述のとおりかなり骨太で高カロリーな作品なのでいけそうだなと思った人は頑張ってほしいくらいの勧め方にしておきます。

以下ネタバレ

 

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かったるさと歯ごたえの境界

あと少しパズルがダルかったり敵が硬かったら間違いなく途中で投げているバランスでした。踏み越えてきたのでとても良いものだったと思えますが、やりすぎじゃね?という場面も正直かなりあります。
ブレイクをとってギリギリ削り切れなかったときだとか、端でブレイクしたあと攻撃して落下させるとまた無敵になる系の敵とか、パズルにそれなりの精度で射撃が必要になるとかそこ難しくなくていいじゃんみたいなところもちらほらあります。
ただ、やっぱりトライアンドエラーで少しずつ難しくなっていくデザインは絶妙で、面倒くさいんだけど達成感と楽しさが絶対担保されている誠実なゲームだったから最後まで遊べたんだと思います。

道中の戦闘を積極的に避けなければレベリングは必要ないように配慮されていると感じますが、かなり面倒くさい装備集めに関しては行うと飛躍的に楽になるのは苦労と報酬でバランス取れていてよかったと思います。
特に強い武器に必要なレア素材はクエスト報酬にいることが多かったので、自然とクエストをこなそうと思うような設計になっているのはうまいなと思います。オブジェクトの素材はセーブ&ロードでかなり楽になることに気づいたのでズルいかもしれないけどそんなに苦労しませんでした。

恐ろしい作りこみとストーリーとの噛み合い

すごいっすね…すごいとしか言いようがない
Phenotopiaとかあの辺に通じるゲームへの愛と狂気を感じます。

恐らくプレイ済みの人がみんな好きであろう、システムをハッキングしてダンジョンを突破し、敵も自分もチートでステータスを倍々して戦うシーンが最高に好きでした。なんであそこまでアツいんでしょうねこの手の演出は。
そして、ラスダンとラスボスが登場するあの流れが素晴らしい。BOTWのようないつでもあそこにラスボスがいるぞという流れとは対極のような位置でしたが、なんでラスボスが居てラスダンが存在するのかという理由から逃げずに書ききったシナリオはとても新鮮で興奮しました。レアとして自分が消えるかもしれないけど戦う理由があり、プレイヤーとして最後のダンジョンに挑み踏破するという構造が美しすぎますね。
そしてラスボス戦が本当に楽しい。最後の最後にモードチェンジの忙しさを要求されて、自分もそれに対応できるというのが体験としてこれ以上のものは無いと思いました。前半が難しく、後半は派手さを基調として体験を損ねないバランスなのも解釈一致でした。

トゥルーエンドには到達しましたが、エンドコンテンツ系は遊んでないし、DLCがあるらしいのでちょくちょくやろうと思います。
RPG嫌い病のせいで途中何度も投げそうになりましたが、本当に遊んでよかったゲームでした。