Library of Ruina面白すぎる(ネタバレなし)

面白すぎる!

僕のオールタイムベスト5に入ることは間違いないです。
ただし、以下のような難点があります。

①世界観が人を選びそう。
②LCも含め難易度が高い
③前作のLobotomy Corporation(以下LC)を遊んでいる事が前提のストーリー
④LCは100時間、Ruinaもすでに95時間を突破。みんなの200時間を俺にベットしてくれ



①について

技術が発展しすぎた結果、その高度な技術を持つ会社が強大な権力を持ちました。例えば「10秒でどこにでもたどり着ける列車」や「瞬時にお湯が沸くポット」など、まるで魔法のような技術です。それを持つ会社が力を持った分、貧富の差が拡大し、ディストピア社会になってしまった。というかなりハードな世界設定です。

前作Lobotomy Corporationも、その会社のうちの一つです。表向きは無尽蔵のエネルギーを生み出す発電会社でありますが、裏ではそれを生み出すためにエネルギーを生み出す怪物の世話をし、毎日死人を出しています。

世界観が徐々に明かされるのが面白いところなので詳細は省きますが、こういうった明るくない世界に耐性が無いと気持ちが沈んでしまうかもしれません。
私はストーリーの面白さ、明かされていく設定の数々に夢中になることができましたが、正直人を選ぶ面白さだと思います。
メイドインアビスとかルフランの地下迷宮と魔女の旅団とかあの辺が好きならおすすめです。

②について

Ruina自体が前作履修済みを想定しているストーリーなのに、そもそもゲームジャンルが別々であり、両者とも体験したことのないような恐ろしい難易度のゲームであることが挙げられます。
しかしながら、ストラデシーシミュレーションとカードゲームバトルというアクション性の無いシステムのため、求められるのはゲームのうまさよりも思慮深さやケアレスミスを防ぐ慎重さです。難しいゲームが苦手な方でも、時間をかければ絶対にクリア出来るようになっているところにバランスの巧みさを感じます。

Ruinaはカードバトルルールの複雑さもあり、最初は挙動が納得できない部分もありますが、プレイするにつれて理解が深まり、納得できるようになってきました。
かなり大雑把に説明すると「デッキを自由に構築できるSlay the Spireだが、カードプールに制限があるため、これ無理じゃないか?と思うような弱さのデッキで強敵を倒す」というゲームです。クリアすると倒した敵に応じたカードが手に入るのでそれでどんどん強化することが出来、カードプールが増えてくると、シナジーを自由に考えて構築出来るので飛躍的にデッキが強くなりますが、敵もしっかりそれに合わせて強化されていきます。
ルールを把握することも体験のうちで、ルール説明をするのは無粋だと思うので、入社初日にマニュアル渡されて「明日までに暗記してきて」と言われるようなルール説明を体験してみてください。

そして「このゲーム理解したわ」のあたりで開放されるコンテンツ、完全開放戦が本当に素晴らしいものでした。
完全開放戦はボス戦のような扱いなのですが、ボスごとのギミックを理解し、突破していくスタイルになっています。かなり独自性の強いコンテンツで、自分の知っているゲームだとペルソナシリーズの裏ボスやFF14の高難易度レイドのような感じです。「絶対に即死してしまう攻撃」の前になんらかの条件を満たすと、過去助けた味方がやってきて、そいつがくれるバフによって生存し、敵が最終形態に変わる…みたいなのが好きな人は叫ぶこと間違い無し。本当に面白い体験であり、一度きりの体験でした。
最初はストーリーだけが魅力なのかなと思いましたが、カードゲームで物語を表現するという独自の体験がこのゲームをこんなに好きになれた理由だと考えています。

③④について

僕はよく「長いゲームが面白いのは当たり前」という言葉を使います。
50時間越えのサウンドノベルや、100時間近くかかるRPGはそれだけの時間を共にしてきたという圧倒的なアドバンテージがあり、だからこそ短い時間で感情移入させることに成功している『oneshot』、『undertale』、『DDLC』のような"濃い"体験のほうが優れているという考え方です。最近流行りのタイパを重視している人と言っていいでしょう。

それでいうと本作は(LCも含め)200時間以上のプレイ時間を求められるため、上記の価値観で言うと好みではなさそうなもんですが、このゲームは200時間で割っても『undertale』の面白さに近いというバケモンみたいな体験をさせてくれています。

前作からの続きものということで、Ruinaでは「前作苦しめられたあいつが助けにくれたら…オタクは喜ぶやろなあ…」みたいなファンサの塊で構築されており(もちろん前作で苦しめられたあいつがもっと苦しめに来ることもあります)もちろん僕はそういうのが大好きなオタクなので毎日拍手しながらプレイしました。

超盛り上がるポイントが1か所2か所あるだけで、微妙な戦闘や面倒なボス戦の記憶を無かったことにして「面白かった!」と言えるのに、Ruinaはそのレベルの盛り上がりポイントが2時間おきに来るので耐えられません。耐えられないオタクがすることは拍手でした。拍手したところの録画が残っていたので張ろうかと思ったのですが、聞くに堪えない奇声と爆音の拍手だったので流石に自重します。
これらは誇張でもなんでもなく、本当に面白い、素晴らしい体験だったと思っています。1作で1回味わえれば良いような感動、興奮を何度も何度も味わうことが出来、最高の時間を過ごすことが出来ました。

話は逸れましたが、プレイ時間が長くなっても濃密な体験であれば気にならないのは当たり前で、そういうゲームと巡り会ってこなかっただけなんだなと認識を改めさせられたというお話でした。
ずっと面白いなら何百時間でもプレイしたかったんだな…俺…

今年のゲームオブザイヤー候補です。