火は鉄を試し誘惑は正しき人を試す(JUDGE EYES:死神の遺言 感想)

土曜9時の刑事ドラマみたいな内容を、龍が如く級のガバガバ暴力をトッピングして丁寧に盛り付けた名作でした。

キムタクという親しみ深いイケメンを操りながら、国営ヤクザを始めとした国家権力相手に中国拳法でボコボコにするのは爽快感があって、話も変に奇を衒わない王道かつ男気溢れる粋な展開の連続で気持ちいい。

まあでもいつものセガのゲームというか、龍が如くのテイストなので、本筋1:横道1みたいなバランス。幸いミニゲーム類があんまりおもしろくないかつ面倒なものばかりなので本筋に集中できてよかった。龍が如く初代やったころは麻雀で20時間くらい遊んだから(龍が如くで麻雀覚えた)

いつも通り非常にキャラが魅力的。相棒のゴリラは単細胞だけど心強い兄貴分、ヒロインは正義感溢れる心の拠り所、名前のあるキャラはみんなかっこよくて筋がある大人で頼りがいがあってボコりがいがある。何よりピエール瀧演じる羽村の親分も、間違いなく悪党なんだけど美学がある悪党で凄く好きだった。このシリーズはかっこいい大人がたくさん出てくるのがいいよね。

戦闘も比較的シンプルにヒートアクションが出るようになってて、アイテムさえ買い揃えておけば苦戦するシーンはほとんどなく快適。誓って殺しはやってないこのゲームでも、敵の頭をコンビニの高出力レンジでチンしたり、ビルの屋上から突き落としたり気軽に出来る。

いつもの舞台神室町(歌舞伎町がモデル)は実際のお店が多く立ち並び、いきなりステーキやドンキホーテ等なじみ深いスポンサーが多くてリアリティに一役買ってたのもよかった。

 

いつものことだけど悪い点もたくさんある。拠点となるキムタク探偵事務所と法律事務所は神室町の正反対の位置にあって走って4分ほどかかる。これを数えきれないほど往復させられるのが一番のイライラポイント。ファストトラベル要素としてタクシーが使えるけど、これもタクシーがある場所まで行って、またタクシーがある場所にまでしかワープすることができない。しかもキムタクはそこらじゅうでチンピラに絡まれ、戦闘が終わるまではイベントの進行ができないおまけつき。ボリュームのためにこういうめんどくさい要素をいたずらに増やすのはどうかと思った。

経験値は終盤でバカみたいにブーストかかるけど、お金は普通にやってたらほとんど集まらないバランス。と思ってたら中盤のサブイベントで10分で120万円(回復アイテム1200個分)貯まったり、適当すぎんだろ。

 

でも面倒くささを補って余りある面白ヤクザストーリーは是非おすすめしたい。
今回の作品はヤクザ同士よりも国家権力と戦う話。テンポ重視でご都合主義な感じだけど、終盤は怒涛の伏線回収がアツすぎて全部許せちゃう。好き。

この作品の強みは龍が如くナンバリングではないため、この作品単品で一切如くをやってなくて困る要素が無いこと。今までやったことないなあって人も是非遊んでみてほしい。

 

この作品をやるきっかけになったコカイン事件。これでピエールの顔モデルと声が総入れ替えされて6月に販売再開されるらしい。ピエールの演技も凄く良かったので少し残念だけど、龍が如くには薬は絶対に扱わないというポリシーがあるようなのでそれも致し方なし。こんなに面白い作品を作れるクリエイターの方向性を支持します。

龍が如くは0が一番好きで、初代をやってこその作品なので、キムタクをやってほかの作品を触りたくなった人には初代(極というリメイクがでてます)→0の順番で遊ぶことをお勧めします。

サブイベントをちょっとやりながらプレイ時間は30時間弱。ボリュームはあるけど話はずっとダレずに遊べたので満足感は強かったです。おすすめ!

 

 

バンがバンバンきやがる!