生まれて初めて失神した(あまり面白い話ではないです)

先日、失神した。

いわゆる「のぼせ」というもので、自宅で湯舟に長時間浸かりすぎた結果、立ち上がった時に高い血圧で血液を脳に送ることができずに昏倒するというもの。これは病気などとは無縁の心配のいらない失神らしい。

しかし、風呂場で昏倒するというのは恐ろしいもので、たとえば固い浴槽のフチに頭をぶつけていたら……湯船に頭から落下していたら……想像するだけで恐ろしい結果になっていたかもしれない。幸い腰にひどい青アザができたのと、頭にタンコブができただけでなんともなかったが、死の恐怖を感じたのは10年前ぶりだった。個人的な都合で急に泥まみれになりたくなり、夜中に高速を飛ばして有明海の干潟に特攻したら、泥遊びができるエリアとは一個ズレた遊泳禁止のエリアだったようで、桟橋から泥にダイブした瞬間に両足が牡蠣殻にズタズタにされて以来の出来事。今回のも牡蠣ズタズタ事件もいまだにちょっと怖い。

時間にすれば20秒~30秒ほどの失神だったが、目が覚めた瞬間は何が起こったのかわからなかった。記憶が飛んでいて、気づいたら目の前に脱衣所の壁があり、頭がズキズキと痛んで心臓の高鳴りを感じる。「あれ?俺死んだ?」という思考が追い付かないような体験自体は面白いものだったが、思い起こすとやはり怖い。

湯船から出る前に立ち膝になったり、手すりなどの冷たいものに触れながらゆっくりと立ち上がることで予防できるとのことだが、それ以来立ち上がる瞬間は恐ろしい。当分は恐る恐る立ち上がる日々が続くだろう。

冬になり、寒暖差ができると発生しやすく、若さなどにかかわらずよくあることらしいので、皆さんは気を付けてほしい。

何よりショックだったのは、倒れた音で駆け付けた家族に目が覚めて動転する頭で「救急車を呼んでくれ」と言っているのに、出しっぱなしのシャワーに「水がもったいない」と言ったり、まずは服を着ろと言ってみたりといつまでたっても救急に電話してくれなかったことだった。

家族も正常性バイアスが発動したり、気が動転していたりしたのだと好意的に解釈することは可能だが、近所迷惑と自分の命を天秤にかけられたような気分でなんとも言い難い不快感が続いている。自分の身は自分で守るしかないという事を強く思った。

参考動画

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