のすのゲーム感想ブログ

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ピクミン4 感想

ピクミンに求めているものが全部あった。大満足

 

ピクミンシリーズに求めていたもの。それは未知の惑星や生物という生存本能に訴えかけるような恐怖と、それを乗り越えた時の達成感や安心感という主に2つ。

ピクミンが増えやすいことと、終盤のダンジョンまで難易度は低めなので、ピクミン1~2であったような一度に大量のピクミンを失うかもしれないという不安は抑えられていた。

しかし、未知の生物と戦う「恐怖」というカテゴリにおいてはその辺のホラーゲームに見劣りしない純度で堪能できる。もちろん、ジャンプスケア的なものではなく、そのすべてが「未知」という美しく輝く宝石の副産物として存在する、非常に心地よい「恐怖」だ。

触りたくないが、先に進まないと生存は勝ち取れない。その葛藤こそが、このゲームをより素晴らしく替えが効かないものとして押し上げてくれている。

生存本能に訴えかける、未知の生物の魅力

Unreal Engineで描かれたSwitchとは思えないような美しいフィールドにはたくさんの原生生物がいて、どれもこれもかわいらしい見た目とは裏腹に恐ろしい生態を持っている。

すべての生き物が食物連鎖という一つのレールの上で存在していることを意識して作られており、おそらくそれでいえばかなり下位の存在であろうピクミンが、プレイヤーの手助けによって繁栄していくというストーリーも持ち合わせているのが面白い。図鑑の解説などからこの辺りがよく練られていると感じられる事もSFとして魅力的と感じることができた。

特に中盤、ダマグモ種の新規ボスが素晴らしかった。

コントローラーを置いて眺めていたくなるような造形と、BGMを使った演出。そして戦いだすと表象するブラックジョークのような明確な殺意。間違いなく悪趣味ではあるのだが、センスの良さも濃縮されたようなデザインにただただ感動した。

インパクトの強い見た目なので、SNSで多く拡散されているが、このボスを見るためだけにピクミン4をプレイすべきだと思うので、是非自分の目で確かめてほしい。

また、シリーズで登場する敵がリニューアルして登場するのももちろん興奮した。「おー久しぶり」と言いたくなるような語り継がれるトラウマボス達が惜しみなく投入される。通常、過去作のキャラばかりになってしまうとマンネリになってしまうが、このゲームは実は30時間以上の大ボリュームとなっていて、たまにいる同窓会ボスがいい感じの休憩になっているのもよくできていた。もちろん、4から始めた人は驚きと恐怖の連続でたいそううらやましい体験になっていると思う。

かわいいが便利すぎるオッチン

このゲームのもう一匹の主役、オッチンの存在はシリーズファンからすると正直複雑な存在であった。

もちろん、ストーリーに絡んでくる存在としての描かれ方は非常に面白く、かわいらしい見た目と心強さで冒険の相棒として唯一無二なのは間違いないのだが、いかんせん強すぎて便利すぎる。

「埋まっているものを見つけることができる」白ピクミンアイデンティティは撤廃され、オッチンがらくらく掘り進むことができるし、地面から露出する毒煙エリアもオッチンの強化によっては一瞬で破壊可能となる。

ほぼすべてのピクミンの強みを兼ね備え、足の速い乗り物としても機能し、極め付きには1匹で100匹分の重量を持ち運ぶことができる。

ボリュームが多いので多少便利すぎるくらいのほうがサクサク進んで楽しかったかもしれないが、ピクミンの色が増えたときに思ったより行動範囲が増えないのはこいつの仕業とも思う。まあ何はともあれ、かわいいからヨシ。

クリア後のストーリーは文句なしに良いものだった。誰かを犠牲にして得られるものなど無いのである。

ぶっ〇してやろうという黒い任天堂の意思

そこまでの難易度が1だとすると、最終ダンジョンは100くらいの殺意で襲い掛かってくる。

これまでは明確に配慮があった数十匹単位での死を軽々と実現する敵が急に出現し、原生生物同士やフィールドでのシナジーも意識された配置に変貌する。急に恐ろしい数のピクミンが死んでいくので、最高に面白い

特に17階くらいのあいつに500匹以上のピクミンが踏みつぶされたときはさすがに悔しかった。もちろん安全策を取る戦い方やゲキカラスプレーでのゴリ押しをすれば一瞬で終わったとは思うが、正攻法でやっつけたかったので何度も地上に戻りピクミンを補充して挑戦することとなった。コツを掴み討伐したときの達成感は求めていた味わいであった。

実は今までのことはこのダンジョンを踏破するためのチュートリアルでしか無かったんですよ。とでも言うような恐ろしい難易度に任天堂の明確な殺意を感じてたいそう嬉しかったが、巻き戻しやアイテムを用いれば子供でも十分対抗できるように設計されているのが設計として上手だなと思う。

とはいえここに至るまでが退屈だったかというとそうではなく、簡単だけど忙しいという繊細なバランスのもとで遊ばせてもらえていたので、本当にバランス感覚の良いゲームだったなと感じた。

贅沢を言えば前述したダマグモ種のような、(発想が)ヤバい敵がもっともっと居てくれるとよかったのだが、逆に言えばあいつが凄すぎるだけなので個人的には満足である。しつこいようだが、こいつのためだけにピクミン4をやるのは十分アリな選択肢だ。

今年度の任天堂タイトルでは一番好みのゲームだった。大満足。オッチンのグッズ展開を楽しみにしている。