神ゲー、Void Stranger ほぼポエムみたいな感想

2023年に遊んでいたらSANABIと競ってたくらい面白いゲームでした。難しいというか、かなりしんどい部分もあるので万人向けでは決してないゲームですが、刺激に飢えるハングリーなゲーマーはこれを読む前に是非プレイしてみてください。50時間以上かかる骨太さですが、上質であることは間違いないので時間を作って触ってみてほしいゲームです。

このゲームネタバレ無く感想を記載するのは不可能に近いです。以下ずっとハードゲーマーなら「こういうゲームね」と察せられる情報がたくさん書いてありますので、もう少し背中を押してほしい人だけ読んだらいいと思います。いや、やっぱやめたほうがいいかも。こういうのは何も知らずに楽しんだほうがいいですよマジで。

あ、あと曲がいいです。

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主人公の苦しみや奇跡を演出するためにあの深い地獄は存在しており、必然としてあのような苦しみが苦しみを呼ぶようなデザインになったのだと思います。

しかし作者はそこにプレイヤーを放り投げるだけではなく、ただひたすらにクリアさせるための小石を置き続けてくれていました。小石を見つけたらまた次の小石があるはずの方向に進む……次の小石があとどれだけ歩けば見つかるのか、霧が晴れる瞬間は訪れるのか……そんな不安を常に抱えたまま続くゲームプレイでしたが、作者は絶対に裏切ることはなく、小石はあり続けたのです。

正直このゲームの全部を理解してはいません。ストーリーも雰囲気でしか理解していませんし、謎解きだって最後まで確信をもって予想できたものはなく、「こうすればいいのか…?」という不安が常にあったゲームでした。

それでも夢中でこのゲームをプレイできたのは、悪意がありそうなパズル地獄に見えて、実は痛みを与えようとしてこのゲームが作られたわけではないということがすぐに理解できたからです。

上質なカットシーン、たくさんの遊び心、意味深なオブジェクトや明らかに簡単すぎるパズルの数々、そしてそれを彩る素晴らしい音楽は「何かあるに違いない」と歩みを止めさせないだけの力がありました。そして実際に撃てば響くような労力に見合う感動を常に与え続けてくれました。

Void Strangerはゲームで世界を作るために何かを捨てるのではなく、くだらない何かで偽装するわけでもなく、ただただ真摯に巨大なものを磨き続けて尖らせたような作品です。

こういう尖ったゲーム不慣れな人にその鋭さは痛みが先行して歩みを止めてしまうかもしれません(それを責められないくらいキツいシーンも多い)が、数年後ふとこのゲームを思い出したときにまた触ると、見違えるほど面白いと感じるかも知れません。

 

人のプレイムービーや攻略を見ながら終えてしまうにはあまりにももったいない。狂人が発する輝きを十分に浴びることができる素晴らしいゲームでした。