神ゲーでした。
前半ネタバレ無し、後半ネタバレ有り。
ゼルダの伝説、星のカービィ、洞窟物語、その他名作メトロイドヴァニア等々…の良い所取りアクションゲーム。もちろんストーリーも音楽も何もかもが良い。好(ハオ)
もう凄い!面白すぎる!!!!!!
1週間で
68.5時間!!!うおおおおおお最高の68時間半!!!
この通りちょっとボリューミーなゲームだったけど、どこを切り取っても濃密で楽しい時間を過ごすことが出来た。
ドット絵がすっごく綺麗で、いちいちアニメーションがかわいくて、声やSEがシャキシャキしてて気持ちいい。もちろんストーリーも奥深く、BGMが最高で、ゲームも面白い。どこを取っても妥協を許さない完成度は命を削って作られたようで、尊敬を通り越して狂気を感じる出来だと思った。
こういう丹精込めて作った事を感じられる創作物に触れている時、幸せな気持ちになれますね。感謝
68時間のゲームを手放しで勧められても困ると思うので、簡単に良いところを書いていくけど、アクションゲームが好きなら絶対気に入ると思うのでここで読むのをやめていい。この素晴らしく丁寧なゲームを堪能してほしい。
何もかもがちょうど良いバランス
メインストーリーのクリアまでは30~40時間、収集物のコンプと隠し要素をこなすのに20時間ほど。
それなりのボリュームがあるが、一つのダンジョン、一つの景色に固執せず、贅沢に場面が転換していくので退屈はしない。詳細は省くが、メトロイドヴァニアとしても他のゲームとはちょっと違う方法で可動域を増やしていく。決してクラシカルな二段ジャンプや空中ダッシュではないのが工夫に富んでいてとても良かった。(クラシカルな二段ジャンプが出来るようになるOriも神ゲーですが)
ゲームとしてもシビアな操作性を求められるシーンはあまりなく、程よく被弾と落下をさせるように作られていて、定期的に回復を要求される。(このバランスが好みじゃない人も居るかも知れないが、楽をすれば被弾するという自責的なバランスが自分好みだった)
特にボス戦は非常に秀逸で、どのボスもシンプルな攻撃方法ではあるけど、初見で見切るのは厳しい技を持っている。最初は理不尽に死んでいくが、何度か戦っているうちに気持ちよく避け、納得のいく勝ち方が出来るだろう。もちろん、入念に食事を準備していればゴリ押しで勝つことも可能ではあるが、攻撃やダッシュ等のアクションは全てスタミナによって連続使用が制限されているので、クールダウンを管理しながら戦う必要がある。これもクリアまでちょうどいいバランスを維持していた。
2D探索メトロイドヴァニアにありがちな中だるみを感じさせないのは、この秀逸なレベルデザインと適度な謎解き要素があるからだと感じた。
とんでもないグラフィックと音楽
この場所は作中でもトップクラスに好きな風景だが、どこを切り取っても絵になるピクセルアートがこの作品の大きな魅力だ。恐ろしいのはこの書き込みに加えて異常なほどアニメーション量が多く、髪の毛のふるまいや服の挙動にかなりの時間をかけていることが推察される。町にはNPCキャラがひしめいており、敵MOBの使いまわしは無い。贅沢なゲームだなあ…
作中のBGMがどれも素晴らしかったのも嬉しかった。
総数60曲の超ボリューム
通常戦闘曲がかっこいいゲームっていいよね。
ボス曲が最高にかっこいいんだけどそれはプレイしたときのためにとっておいてほしい。
秀逸なストーリー
ネタバレになるので記載しないが、とても素晴らしいストーリーであることを約束する。メインストーリーももちろんそうだが、お使いになりがちなサブイベントもしっかりと起承転結をつけることで自ら進んでこなしたくなるものにしているのが素晴らしい。
ただし、このゲームは序章であり、物語を最後まで読んでも解決しない部分がいくつかある。特に序盤から一貫した目的は達成しないまま終わるので、それについては先に知っておくべきだと思う。
この項についてはネタバレ有の部分で多く語っている。
人を選ぶかなと思う点
・昔ながらの”死んだらセーブポイントから”システム。結構サクっと死んでしまうのでこまめなセーブは忘れずに。イベントの進行等も戻るのがちょっと人を選ぶかなと思う。俺はこのくらいの緊張感のほうが好きだけどね…
・ちょっと難しいゲームであることは間違いない。難しすぎて投げる人を増やしている要因が、以下の難易度選択画面。
作者が”ふつうの難易度”を選ぶ事を 挑発 推奨しているが、アクションゲームが苦手でこのゲームのストーリー等を心行くまま堪能したいのなら難易度は下げて良いと思う。
ただし、自分はふつうの難易度で挑戦したが、しっかりふつうの難易度でゲームバランスを調整していると感じたので、アクションゲームに自信があるあなたは是非推奨設定でプレイしてほしい。(ゲーム中ですぐ変更は可能であるし、エンディング分岐等は無い)
また、同じ敵からの被弾は連続しないが、違う敵の弾はノックバック中でも容赦なく被弾するので、一発目当たると被弾し続け奈落の底へ…というシーンも稀によくある。これを理不尽であると感じるか、一発目当たったのは自分であるので自分が悪いと感じるかでストレスはかなり違うかなと思う。
とにかくアクションが苦手であると感じる人は覚悟して買った方が良いゲームであることは間違いない。
まとめ
・全て高水準。神ゲーと形容しても誰も文句無いと思うような狂気の作りこみ。
・良くも悪くも高難易度アクションゲーム。覚悟して挑むのを推奨。
・序章として開発されているゲームなので、ストーリーの全ては解決しないことを知っておくべき。
早く2作目が出るように今日からフェノトピアをちゃんとおすすめして行こうと思っています。このまま隠れた名作扱いで終わっちゃうのは勿体なさすぎるゲームだと思うので…
それでは、下記からネタバレ有褒め褒めブログとなります。
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以下ネタバレ有り
このゲームを褒めていたそこのあなた。えらい!
あなたのおかげで俺はこのゲームに辿り着けた。オモシレ…オモシレ…と言いながらゲームをプレイしたのは何年ぶりだろう。ストーリーに振り切ったガレ魔女、ギミックと壮絶な伏線回収で脳汁を爆発させたラムラーナ2並に今年刺さったゲームだった。比べるのは品がないが、総合的な刺さり方ではこのゲームが今年一番良かったと言ってもいいのではないかとも思っている。
ちなみにプレイのきっかけはRIJ2021で「あーこのゲーム俺絶対好きだからプレイ動画先に見たらダメだな」から始まっているので、一番偉いのは俺だけど、RIJ走者もマジで偉い。本当にありがとう。今から見ます。
好きなシーンや特筆したい褒めポイントが多すぎていくつか忘れてしまうだろうけど、印象に残っているものをいくつか書きます。
メインストーリー
プロローグで実は世界戦争後の世界ですよと重い話をいきなりされ、突拍子もないかと思われたUFOアブダクションから始まるこのストーリーがラストウォールから世界設定を回収させてくるとは恐れ入った。参りました。
このミラクル回収だけでご飯が何杯も食べられる。なんだこれは。あんな牧歌的な世界を冒険させられて、この世界が実は何人もの犠牲の上に成り立つ徹底的に作られた平和だったなんて想像出来るわけがない。見事すぎる。
ファーストウォールとラストウォールの間の隔絶で不穏な空気を感じさせ、ラストウォール後の荒廃した世界で”この世界が既に終わり尽くされている”というプロローグムービーで見たはずなのに完全に忘れていた設定を思い出させる。まんまと作者の掌で踊り続けていたというのを感じ心地よかった。
エンディングまでの流れも良かったし、続編がありそうな終わり方というのもとてもよかった。
サブイベント
どれもいい…ウサギ収集もよかったし、
ここも良かったし(ちゃんと後でもう一回来ました)
ドグローがただのバッテリー切れでよかった。
最後の町でチンチクリン!って呼ばれた時も驚いたやら安心したやら…
これなんかもうOuterWilds級の衝撃なんだけど…すげえ~このゲーム~も~ロマン饅頭か?
このゲーム、簡単にキャラを殺さないのが良いですよね。
世界大戦で人がゴミのように死んでいるはずなのに、平和な世界では命を大切にしているという設定がとても丁寧に活かされている。ラストウォール後のイベントではドッグタグやウサギ収集でこれでもかというほど痛々しくそれが描かれているのも良かった。
また、メタネタを一切出さないのも良かった。メタネタ大好き人間だけど、フェノトピアはゲームの中の事はゲームの中の事としてしっかり完結しているのが正々堂々としていて偉いなあと思います。作り手側がプレイヤーに真っ向勝負仕掛けてきているのが伝わってきますね。だからこのゲームが話題性に反してたくさんの人に愛されているんだと俺は思いますよ。
裏ボスについて
サブイベントを全部こなすように誘導されていてとても助かった。(裏ボスで釣られなかったら未プレイで終わりかねないので)
占い師のおばちゃんが偉い。虫の巣を回転させるところはわからなくて(わかるわけねえだろあんなもん)攻略サイトを見たけど、それ以外はヒントが結構しっかりしていたので問題なく収集できた。いったりきたりの手間もポータルで緩和されているし、ポータルもただあるのではなくストーリーと関連付けてあるのが素晴らしい。
ボス自体は正直弱かった。HPに応じてもう少し形態変化等しても良かったかなと思う。金卵の唐揚げを8個も持ち込んだのもあるが、虫の巣爆撃と後半の羽祭り以外はどれも被弾しない方法がわかりやすいので、これも前述した楽しようとすると死ぬを忠実に守っていて関心していた半面、隙がありすぎてパクパクモグモグし放題なのは裏ボスとしてうーん…ここまで来たプレイヤーを舐めすぎ?ゲイルが強すぎ?うーん…
まあでも初見のこれ無理だろ感に反してしっかりパターンを組んで少しずつ攻略していく感覚はこのゲームに中々ない部分だったのでとても良かったのは間違いない。ちなみにモーションはカービィのダイナブレイドオマージュなのかな?
まとめ
ほんとにそんなにやってた?みたいなプレイ時間だったので驚いたし、面白い面白い言いながら夢中でやってたのであんまり喋ること無いなと書いていて思った。
oneshotとかundertaleはプレイ後に「あそこ良くなかった?」とか「このキャラが~」とか言いたくなるんだけど、Phoenotopiaは「いいよね…」「いい…」みたいな体験の質が良い事を共有したくなるゲームだなと思う。そういう意味ではcelesteやOri2に近いなと思う。フェノトピア好きでプレイしてない人は俺を信頼して是非やってみてほしい。たぶん好きだと思う。
いや~~本当に…流行って欲しいですねこのゲーム…
ちょっとこのまま過小評価で終わるのは勿体なさすぎる。令和を代表するゲーム面してても良いくらいの出来だと思いますよ。
僕は最近趣味でゲーム作ってるんですけど、ちょっとプレイしながら落ち込みましたもん。俺はこんなゲーム作れるのかなって。
そのくらいの作りこみ、出来の良さだと思います。最高の60時間でした。
インディーズゲーム好きで良かったです。