面白いけど苦しい格ゲー。ストリートファイター6 感想

マスターなれました。

ブランカありがとう。

もうものすごい盛り上がりで、やる気なかったのにみんなやるならやるか~と購入してしまい、気づいたら90時間近く遊んでしまいました。

ゲームとして

カプコンの仕事が随所に光る丁寧なゲームで、格闘ゲームでネックになるラグや回線断によるストレスはほぼ無かった。ロールバックネットコードという謎技術にえらく感動したし、それによって無線有線場外乱闘みたいなしょうもない話題も聞かないのがとてもよかった。

とてつもなく親切なトレーニングモードや、初心者向けの壮大なストーリーモード。おつまみ感覚のミニゲームまであって、ストリートファイターシリーズというナンバリングに恥じない、とにかく贅沢で丁寧なゲームに仕上がっている。

格ゲーとして

どんだけゲームが良くできていてマーケティング頑張ったとしても、よくこんな苦しいゲームがこんなに流行ったなと正直に思う。

このゲームの苦しいところは、負けの理由が一切言い訳できず自分のミスによるところだと断定されてしまうところにある。無論、それはいいことでもあるのだが、長年アークゲーのクソすぎる理不尽なセットプレイを味わってきた立場からすると、「クソすぎる」ものが無いと心の拠り所も無いんだなというのは実感した。

ドライブインパクト返せないのも俺が悪いし、適当なとこで投げ抜けしてクソ痛い反撃もらうのも俺が悪いし、ラッシュに小技置けないのも相手の飛びに反応できないのも安易に飛んで対空されるのも何もかも全部自分が悪い……

いや、突き詰めればすべてのゲームはそうなのかもしれないが、とにかくスト6は(5はやってないのでわからん)相手の行動を咎め続ける必要があり、負けには何かしらの“絶対にしてはいけない”ミスをしてしまったという理由として付きまとってくる。

「アラクネに烙印つけられて2択を5回ガードしたけど6回目で崩された」とか、「名残雪の開幕読み負けてそのまま死んだ」とか、「イザナミと対戦した」とか、今まで遊んだゲームでは負けたことに仕方ねえかと思えるような理由付けが出来ていたが、スト6の負けは「全部お前が悪い」と言われているようで本当に苦しかった。

しかし、この窮屈なゲーム性に慣れてくると、短時間で相手との読み合いを何度も味わえる緊張感のあるゲーム性が楽しくなってくる。差し合いゲーと呼ばれる格ゲーには縁がなかったが、これはこれでいいものだなと感じられてとても楽しい時間だった。ただ、何度も繰り返すが本当にしんどかったというのは正直に申し上げておく。

それなりに格ゲーを遊んできた自分がここまで辛いんだから、ここから格ゲーを始めた人で続けらている人は本当に凄い事だと思う。頑張ってほしい。
それと、挫折してしまった人は是非別の格ゲーに挑戦してみてほしい。前述したように、ゲームによって味わいがかなり異なるのでギルティなら楽しめるということもあるだろうし、スト6で学んだガードや操作という基本的なことは、他の格ゲーでも活かせるというのがこのジャンルの良いところだからだ。