LUCKY RABBITという今年出会った世界一うまい缶ビールに関する衝撃的な話

マジでだまされたと思って一回飲んでみてほしい

 

日本には世界一うまいビールが複数ある。

びっくりドンキーのドンキーハウスビール

・HUBバーのハブエール

などがお馴染みだが、そもそも郊外にしかないびっくりドンキーなんて俺が運転していくんだからビールなんか飲めるわけないし、HUBはなんか半年に一回くらい「爽やかで軽い飲み口の春夏バージョン」とかいってクソまずい変な味する謎の液体に差し変わるのでたまに飲みたくても飲めない時期すらある。

まあ普通にオリオンとかエビスとかも好きなんだが、やっぱりこいつらと比べるとちょっと物足りない。そんなわけで最近はビールから離れていたが、去年の暮れあたりにようやく最強のビールと出会った。

黄桜とかいう京都の日本酒蔵が片手間で作っていると評判のLUCKY BREWシリーズだ。

味がいくつかあり、それぞれ動物の名前を冠しているが、マジでどれもうまい。全部芸術品のようなうまさである。

「チキン」はガツンと来る苦みが際立つIPAと呼ばれる種類、「ドッグ」は居酒屋で頼む生ビールのような癖のないグビグビ行ける系に寄せてはいるが、隠せていないLUCKYシリーズのホップの香りがなんとも奥ゆかしさを感じさせる。「キャット」はゆずと和山椒の香りが付与され、変わり種ではあるが2杯目にぴったりのこれまた楽しい味わいだ。

こいつらの難点はちょっとデカいバイパス沿いにあるような酒屋にいかないと売ってない事だが、それもまた特別感があってヨシ。たまに出張先のセンスのいいコンビニに売ってたりすると最高に嬉しくなる。

そんな中自分はサムネ用に冒頭で写真を張ったLUCKY RABBITがぶっちぎりで好みだ。全ての味のベースのような味になっており、その憎たらしい焦点の合わないウサギのキャラクターにふさわしく、複雑な苦みの中に“甘み”という芯が1本通っているような「これぞ美味いビール」と言いたくなるビールの魅力が詰まった”作品”になっている。取り扱っている店舗が異様に少ない事を除けばマジで欠点のないビールなので、飲んだことが無い人は是非一度試してほしい。

これが年中同じ品質で飲めるなんて本来感謝しかないのだが、今俺は怒っています

蔵元の黄桜のホームページを見ると、大好きなウサギだけがまるで忌み子のように存在しないことになっている。

さも「このシリーズは猫と犬と鳥で3兄弟なんですよ~」みたいな描かれ方をしていて、主役はもっとデカデカと書いてあるんだろ~と思ったんだが、どこを探しても無い。マジで無い。昔の隠しページを探すゲームみたいな気持ちになった。興味のある人は「黄桜 LUCKY RABBIT」で検索してみてほしい。

どういうこと?飲酒運転でもしてウサギだけ逮捕されたから存在ごと消滅してんのか?

もっとよく調べてみる。こういうのはだいたい酒好きのブロガーが詳細に書いてくださっているのですぐわかる。

LUCKY RABBITは2023年の干支にちなんだ限定品

は??????

黄桜という酒蔵は毎年LUCKY 〇〇という干支ビールを出していて、去年もしっかりLUCKY TIGERを出していたらしい。マジ?じゃあ俺が今年出会って死ぬまで飲み続けようと思っていたウサギは今年が終わったらもう飲めないの?嘘だろ?

泣いた。泣いたは嘘だけどかなりへこたれた。ようやく文句なしにうまいと言えるビールが見つかったと思ったのに、もうすぐ会えなくなってしまう。一目惚れした女が余命1年だったみたいな感情だ。たぶん。

いや、そうか。マジで猫犬鳥で三兄弟だったのか。だから取り扱っている店舗がめちゃくちゃ少ないのか。全てに合点が行った瞬間というのは気持ちいい瞬間だと思っていたが、こんなに嫌な気持ちになる事ってあるのか。ショックすぎて今この記事を書いています。

というか、こんなに旨いならもうレギュラーにしてもよくないか?一軍より上手い選手がいるならそいつを一軍にするべきじゃないか?犬猫は最強だとしても鳥は兎に成り代わってもみんな文句言わないだろ。ウサギかわいいだろ。なあ。

俺がどんだけ文句言ってもこいつが今年いっぱいで死ぬことは確定しているような気がしてきたのでこの辺でおしまいにするが、俺は絶対にこの味を忘れないように、後悔の無いように、明日別れが来てもいいように大事に大事に味わおうと思う。

俺が忘れなければ、いつかまた出会える日が来たときにお互いが気付けるであろうし、それが12年後になっても、絶対にお前を愛し続けているだろう。

今気づいたけどなんならパッケージに書いてあるじゃん。余命。